Neue Geschichte

歴史をテーマにオタク活動するブログ

春よ、来い

梅田駅の地下で、女性がピアノを弾いていた。

 

楽曲は松任谷由美の名曲「春よ、来い」。

 

幾度となく聞いた曲だが、やけに耳に残った。

 

彼女はなんとなくこの曲を弾きたかっただけかもしれない。

でも、私はその時ふと思ったのだ。

 

そうか、桜が満開を迎え、街に新人社員が溢れても、まだ春は来ていないのか。

事実、今年の桜を撮ることは諦めていたのだ。

 

そんな私を鼓舞するかのように、

もしくは、病の終息を切に願うかのように、彼女のピアノは鳴り響いていた。

 

表現することの意義が、受け手の心を動かすことであるならば、あのとき彼女は一流の演奏者だった。

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法金剛院にて 2019年春

春よ、来い